blog non grata

人生どうでも飯田橋

24

※この記事は全てが見切り発車で、適当に、思いのつくままその順に書いています。着地点もないまま。

 先週、24歳になった。24は合成数だ。僕の年齢が合成数になったのは2年ぶり14回目である。

 いや、この数字は正確ではないかもしれない。確かに24は自然数の中で、14番目の合成数であるが、例えば僕の年齢が16歳になった2012年9月23日、僕の年齢が合成数に「なった」といえるだろうか。というのも、15歳のときも、僕の年齢は合成数だったからだ。(15=3*5) この観点で言えば、僕の年齢が合成数になったのは2年ぶり8回目と言うことになる。

 大きい数字になるほど、合成数の閉めるの「割合」が高くなるのは(感覚的には)当たり前で、実際、29歳の誕生日を迎えるまであと5年もかかる。24から28は、五つ連続で合成数が現れる最も小さい数である。

 自然数の中に素数がどのくらいの「割合」で含まれているか、みたいな話をしよう。

 ところで、素数というものは無限に存在する。この証明は有名で、中学生でも知ってるやつ。背理法で簡単に示せる。ユークリッドさんのやつです。(他にも色々あるけど、一番簡単。)


素数は有限である(つまり最大の素数Pが存在する)と仮定する。
そこで、最小の素数2から順に最大の素数Pまで、すべての素数を掛けていき、それに1を足した数(これをQとする)を考える。Q=2*3*5*7*11*...*P+1。
Qは、最大の素数よりも大きい自然数であるから合成数である。
一方、Qは2からPまでのあらゆる素数で割っても、割り切れない。つまり素数である。
あれ、矛盾してるじゃん?ってことは、「素数は有限である」という仮定が違ったのね。つまり、素数は無限である。(証明終)


 閑話休題

 素数の「割合」を考える。

・差が1である二つの素数の組み合わせは、無限に存在するか?

これはもちろん存在しない。連続する二つの自然数の必ずいずれかは2の倍数になり、2を除く全ての2の倍数は合成数であるから。

・次に、差が2である二つの素数の組み合わせは、無限に存在するか?

これは、いわゆる双子素数というやつだ。(3, 5), (5, 7), (11, 13), (17, 19),,,

これに関しては、未だに証明されていない。つまり、わからない。2996863034895 × 21290000 ± 1 は今判明している最大の双子素数らしいです。

・では、逆に連続する1恒河沙個の自然数列で、合成数のみが並ぶ(素数が存在しない)場所は存在するのか。

これは存在する。(恒河沙ってなんやねんって人は、さらば青春の光の『ぼったくりバー』というコントを見てください。さらになんやねんってなります)

2から1恒河沙+1までの全ての自然数を掛け合わせます。これをRとする。
R=2*3*4*...*1恒河沙*1恒河沙1
このとき、R+2,R+3, R+4,...,R+1恒河沙,R+1恒河沙1 という連続する1恒河沙個の自然数を考える。これらはそれぞれ、2,3,4,..,1恒河沙,1恒河沙1の倍数である。すなわち合成数である。よって連続する1恒河沙個もの間、素数は存在しないことになります。

 というように、素数はだんだん分布がまばらになっていきそうであるということはわかるが、双子素数が無限に存在するかがわからなかったり、自然数の中に素数がどのくらいの「割合」で含まれているかというのは不明な点が多い。素数という概念そのものは小学生でも理解できるのにもかかわらず、多くものわからない点がある。そこにとても神秘的なものを感じる。(文系並みの感想)

 しかし、単なる神秘ではない。素数がよくわからないが故に我々の生活は成り立っている。

 素数は無限に存在するといったが、我々が認識している最大の素数は高々277,232,917 − 1 である。(2018年1月現在)また、2から277,232,917 − 1 までの全ての素数がわかっているわけでもない。巨大な素数の多くが2の累乗 -1という形(メルセンヌ数)で表されるものばかりである。つまり判明している素数は疎らなのである。

 先ほどの素数が無限にあることの証明を使えばいいというかもしれない。しかし、それでは破綻が起こることがすぐにわかる。

まず、2+1=3 確かに、3は素数だ。
次に、2*3+1=7 確かに、7も素数である。
次に、2*3*7+1=43 確かに、43も素数である。
次に、2*3*7*43+1=1807 一見、素数っぽいが、1807=13*139である。つまり合成数素数ではない!

 途中から明らかな誤りがあった。ユークリッドの証明では、最小の素数2から順に最大の素数Pまで、すべての素数掛けなければならなかったのだ。しかし、上のやり方では、例えば素数である5を飛ばしているのだ。つまりこの方法で全ての素数を生み出していくことはできない。

 このように素数の判定は非常に難しい。結局は、地道に割り算していく、つまりは素因数分解していくしかない。そしてこの素因数分解こそ難しいのだ。非常に大きな数の素因数分解が難しいことを利用した暗号理論が、RSA暗号である。

 例えば、我々が打ったラインの文章が、暗号化され暗号文になる。この暗号文を元に戻すために用いるのが、RSA暗号なのだ。つまりベッキーゲスの極み乙女。のボーカル川谷絵音さんに送ったLINEが流出したのは、RSA暗号が解読されたからなのであろう!つまり、それを解読した人間は、素数の判定に関する重要な機密を握っているに違いない!こいつを捕まえさえすれば!私もビッグ・ブラザーのような世界の支配者になれるはずだ!


参考

 さらば青春の光 ぼったくりバー コント


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%A0%E6%95%B0%E5%AE%9A%E7%90%86 Wikipedia 素数定理

https://ja.wikipedia.org/wiki/RSA%E6%9A%97%E5%8F%B7 Wikipedia RSA暗号

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%A8%E5%A4%A7%E3%81%AA%E7%B4%A0%E6%95%B0%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7 Wikipedia 巨大な素数の一覧