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人生どうでも飯田橋

留年

    僕は留年している。4年間で必要な単位を揃えておらず、規定の年数以上の期間、大学生をやっている。3年次には、休学もしていたため、大学生活は6年目だ。否、実は2013年の1年間は某横浜の国立大学で仮面浪人していたので7年目になる。

 

    「なんで留年したの?」とよく聞かれる。こっちだって一応ちょっとは気にしてるのに、失礼なヤツである。まなんでって言われても、単位が足りなかったから留年したのでそれ以上のことは何もない。文学部では必要単位を全て取ることが卒業への必要十分条件なので、聞かなくても分かることである。って、今すげえ面倒くせえやつになってるな。


    もうちょっと言えば就職活動をしなかったからです。「やりたいこと」が特に無かったので。いや、「やりたいこと」なんて無くても、とりあえず就活をして新しい世界に行けば色々見つかるだろうと思って、一度は就活を初めてみた。ほかの多くの人もそうだろうし、別に「やりたいこと」なんて普通ないだろうけど。しかし就活をしている際の自分のしていることの空虚さみたいなものに絶望してやめてしまった。似たようなことを思う人はたくさんいるんだろうけど、それでも葛藤と戦いながら就活をやり切った人はすごい。

 

    当然に、就活しなくても卒業はできるので、これは直接理由にはならないのだけど、日本には新卒が有利というとてもくだらない風潮があるので、とりあえず新卒の権利を延長するために、卒業を延長することにしたのだ。まああと卒論めんどいし。

    就活やめて何をしたかと言われれば、ただ、ぼーっとしていた。ハロプロの動画を見たり、小説を読んだり、麻雀をしたり。あと一人でポーランドスロバキアなどを巡る東欧旅行に行った。

   楽しかった。特に東欧は良かった。よく分からないクラブみたいなところに行ったり、本場のサッカーを見たり、知らんおっさんと飲んだり、バックギャモンしたり。文字が好きなので、各国の看板を写真に撮るだけでも楽しかった。日本語を喋らないだけで無く、英語も大して通じないので、大変だったけれど、その大変さ故に楽しかった。自分の中では就職活動なんかより圧倒的に有意義な時間だったと思う。

 

   だけど、異国で独りぼっちにされた(自分で選んで一人旅してるだけ)僕に、再び空虚さが訪れた。同い年の人はもう入社2年目も終わろうとしている。後輩も続々と就職していく。一方僕は院進もせず、いつまでも学士も取れずに、「遅れている」。そもそもこの旅行もそういった鬱屈したものを紛らわすものに過ぎないのではないか、という気がしてきた。こういう見方をすることは僕自身大嫌いだったけれど、悲しいかなそういう思いに駆られてしまった。

 

   帰国して、資格を取ることにした。就職活動はやっぱり無理だった。実際には、ためになることもあると思うけど、僕には耐えられなかった。でも、就職するために勉強するのであれば、高いモチベーションをもって向かっていけると感じたのだ。

 

    資格というのは公認会計士である。実は以前休学していた時にも、少し簿記の勉強をしていたこともあり、前々から興味もあったので、ちゃんと勉強することにした。その時は独学の限界を感じてやめた。なんとも意志の弱いやつだ。言い訳すると会計士は9割以上の人が予備校で勉強する。市販の教科書で対応するのは難しい...。じゃあ何で予備校行かんかったかって言ったら覚悟がなかっただけだが。

 

   最近は専ら勉強ばかりしているけれど、充実している。しんどくて疲弊する日々だけれど、勉強自体はタノシイ。だんだんモチベーションとかも何も関係なく、無心に勉強するマシンのようになっているが、空虚さみたいなのは感じない。そういった感情さえも麻痺するようになってるのかもしれない。今後、もっと苦しんだ時に、感じることになるのかもしれないけれど、もう受け入れるしかないと思う。「そもそも人の一生なんてあっという間だ。元から虚しいものだし、意味なんてないんだ。考えたってムダである。」そう思うようにする。まだそうは思えてないけど。

 

    勉強の記録でもつけようと思っていたけれど、面倒くさくなって一度もやらなかった。京大受かった時だって勉強の記録なんてつけたことないし。計画も超おおざっぱなものしか作ったことない。なんとなく無計画に勉強してたら成績上がってたし、そんな感じでいいや。行き詰まってからまた考えよう。

    まあ、留年したのはこういうことでした。とりあえず勉強再開します。