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人生どうでも飯田橋

2019年 年間ベストアルバム50

 年間ベストなるものを初めて作ってみた。9枚選ぶつもりがすったもんだで50枚に。どうせなら、ブログにするかー、と思って適当に認めていたら、膨大な量になってしまった。なんで、斜め読みをお勧めします。

はじめに 

 ※この部分は蛇足です。残りの人生が200年くらいあって暇な人だけ読んでください。

 僕は今音楽シーンで何が起こっているのか!?みたいなことにあまり興味がありません(ちょっとはある)。それはリアルには感じられないからです。もちろん流行というものは多少あると思うのですが、「2019年はこういう変化が起こってこういう音楽が流行った年でした!」みたいなのって、無理に後からとってつけただけに感じてしまうんですよ。世界はあまりに多様化しているし。

 しかし、これは当たり前なんですが、「2019年の音楽シーン」はリアルに感じられないけど「2019年の自分」はとてもリアルなんですよ。というよりもそれがリアルそのものじゃないですか。だから、2019年の個人的な音楽を聴いた体験を「2019年ベストアルバム」として纏めてみるのは面白いんじゃないかなと思って、この記事を書くに至ったわけです。

 選んだ基準は、好きでよく聴いたものかとか、衝撃的だったかどうかとか、そういった曖昧なものです。順位も非常に恣意的なものです。順位付けすることに意味があるかは分かりませんけれど、面白いので順位付けてみました。まあそもそもこのブログも無意味だし、僕の人生も無意味だし、世界は無意味ですからね。

 あなたもわたしも無意味〜!あなたもわたしも無意味〜!

 なんのこっちゃ。

 閑話休題この記事はアルバムに関する評価や考察を施したレビューではなく、れぞれのアルバムにまつわる個人的な体験をエッセイにしたという方が近いです。ただの個人的な感想(あるいは感想ですらない何か)の羅列で主観的なものに過ぎません。完全に自己満足です。ハライチのネタ並みにアルバムとは遠ざかった話になってしまうかもしれません。

 では早速。早くねえか。 

 

2019年 年間ベストアルバム50

50個も見てらんねえよって方はこちら

 

50位 King Gizzard & The Lizard Wizard『Fishing For Fishies』

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 フジロックの中継見たけど変態でしたねあれ。ほんと変態。ところで日本では「キンギザ」って略されるじゃないですか?それじゃThe Lizard Wizardの人たちがかわいそうじゃね?って思ってたんですけど、だれがThe Lizard Wizardとかそういうのないんですね。Joan Jett & The Blackhearts的な、仲間由紀恵 with ダウンローズ的な名前だと思ってました。ってことで「キンギザ」僕も使っていきます。「z」何回書けばいいかいつもわからなくなるし。

(もう少しちゃんと書いてるのもあるけど、マジでこんな感じです。) 

 

49位 Yawners『Just Calm Down』

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 マドリードの男女デュオ。Weezerみたいです。メンバー構成はホワイトストライプスの逆です。つまり男性がドラムで女性がギターボーカル。ド直球パワーポップ。爽快感マックス。4年前に出た1st『Dizzy』はもっと直球で良いです。

 

48位  The Hit Parade『The Golden Age Of Pop』

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 たいそうなアルバムタイトルですが、名前負けしてません。最高にギター・ポップです。ストレイキャッツやトイ・ドールズの新作を聴いても思いましたけど、この人たちはどうして何十年経ってもなんで変わらんのですかね。

 

47位 sora tob sakana『World Flagmext Tour』

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 (当時)4人組のアイドル。通称オサカナちゃんって言うらしいです。キンギザが釣った魚が飛ぶわけですね。

 はいはい。しかし、べらぼうに衣装がかわいいんですよね。僕の好みは、このアルバム後、3人組になってから出された「ささやかな祝祭」のPVの衣装です。

 

46位 Spearmint『Are You From The Future?』

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 映画『500日のサマー』の中で、主人公が「スペアミントのない世界は地獄だ」と言ったのは、数ある映画の台詞の中でも忘れられないものの一つです。もう来年でデビュー25年なんですけど、相変わらず今作でもこの人たちはフレッシュです。世界一フレッシュなおっさんたちです。

 

45位 FINAL SPANK HAPPY『mint exorcist』

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 これはエッチだ...エッチ。エッチです。

 

44位 Andrew Bird『My Finest Work Yet』

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 このジャケット見たことありませんか?そう、ジャック=ルイ・ダヴィッドの「マラーの死」のオマージュです。もし自分がクイズ番組に出て、ジャック=ルイ・ダヴィッドの「マラーの死」を見せられたら、QuizKnockの伊沢さんよりも早く答える自信があります。それくらい好きです。飲み会とかで飲みすぎた時は、このポーズをしながらうなだれてます。「おいマラーが死ぬ時みたいなうなだれ方するなよ!」というツッコミ待ちです。  

 

43位 Tyler, The Creator『Igor』

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 あまりこういう音楽は聞いてなかったんです(というより聴くんだけどあまり傾倒するものはなくて)、ただタイラーのこのアルバムは想像以上にポップで聴きやすかったです。「これはポップだし聴きやすいな」みたいな聴き方ばかりなのをそろそ気もするんですけど、これに関しては趣味趣向の問題ですし、趣向が変わるのを待ちます(変わらなくてもいいんですけど)。ところで、Tyler, the Creatorっていう名前がいつも気になってるんですけど、「山田、芸術家」みたいなことですか。

 

42位 おとぼけビ〜バ〜『いてこまヒッツ』

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 堺ファンダンゴ(旧十三ファンダンゴ)が世界一似合うおとぼけビ〜バ〜です。※僕が勝手に言っているだけです。このヒステリックなボーカルとギターサウンド、個人的には2010年の閃光ライオットで優勝したTHE★米騒動を思い出します。クレイジーですね。月3回しかバイトしてなかったのに「6 day working week is a pain」聴きながら共感してました。

 

41位 Yeasayer『Erotic Returns』

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 まさかYeasayer最後のアルバムになってしまうとは。「24 Hour Hateful Live!」が好きですね。改めてYeasayerの他のアルバムも聴いてみたんですけど、やっぱり1stなんて特にエキセントリックでかっこいいですね。めちゃくちゃ久方に聴いてYeasayerがどんなバンドかも忘れてました。めっちゃ期待してたらがっかりしたかも。バンドとしての限界が来てたのかもしれません。知らんですけど。

 

40位 Swervedriver『Future Ruins』

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 Swervedriverは初めて聴きました。確かにシューゲイザー(?)なんですけど、RideとかChapterhouseをイメージしてたら、少し違いましたね。もうちょっとダークな感じ。メタル寄り?と言いますか。かなり気に入りました。ちょうど日本に来てたので、来日公演にも行ってしまいました。かっこよかったです。しかし空いてましたね。前回は札幌公演もあったみたいなんですけど、100人入ったんだろうか...

 

39位 Los Punsetes『Aniquilación』

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 スペインのインディーバンド。「Vas Hablando Mal De Mí」という曲のSpotifyで流れるPV(あのカラオケ映像みたいなのはPVということでいいんですかね?)が、超至近距離から見た偽物のピカチュウでジワジワきました。

 

38位 Julia Jacklin『Crushing』

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 先行シングル「Pressure to Party」は今年印象に残ってる曲の一つです。ところでこの彼女が着てる緑のスウェット、めちゃくちゃ欲しいです。僕の誕生日は9月23日ですが、こちら側としてはそこは特にこだわりません。お気軽にご相談ください。

 

37位 渋谷すばる『二歳』

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 関ジャニ脱退後最初のアルバム。作詞作曲すべて渋谷すばる本人。これはパンク。もうめちゃくちゃパンクです。ブルーハーツです。すごいな。

 

36位 Dido『Still On My Mind』 

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 久々のアルバムですね。Didoはよく「Thank You」がJ-Waveで流れてて、いい声だなあくらいの印象しかなかったんですが、初めてアルバム単位で聞きました。好きです。フォークシンガーのイメージが強かったんですけど、エレクトロニクス要素が大きくて(ジャケからもそれが伝わってきます)より好きになりました。大変幻想的な世界観です。

35位 ミツメ『Ghosts』

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 晴れた日の昼下がり、このアルバムを聴きながら昼寝をする。人生で最も幸せな瞬間の一つです。 さらにこのアルバムは「エスパー」を筆頭にして、どことなく不安にしてくるんですよね。ただ心地よいだけじゃないというか。

 

34位 Pixies『Beneath the Eyrie』

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 いつまでもフレッシュなSpearmintとは違ってPixiesはすっかりオヤジな雰囲気になってます(褒めてます)。まあPixiesは最初からフレッシュ感はないですけど(いい意味で)。年をとり、初期のよくわからない邪悪な感じが抜けてポップになってて面白いですね。

「褒めてます」とか「いい意味で」とかつければ許されると思ってる僕の貧相なボキャブラリーを憐れんでください。

 

33位 Wilco『Ode To Joy』

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 『Yankee Hotel Foxtrot』(以下、YHF)の頃のけだるいカントリーの感じが帰ってきました(この指摘はすでに散々なされているとは思いますけど)。ここ数年のアルバムの感じも好きなんですけど、やっぱり安心感があります。「One and a Half Stars」と「Love Is Everywhere (Beware)」が特に好きですね。

 『YHF』というと9.11直後の2002年のアルバムで、9.11にかなり影響を受けた作品であります。「Ashes of American Flags」ですからね。そういえば、ジャケットもシカゴの他の町並みとは明らかに異質な2つの高層ビル。確かに、世界貿易センタービルを想起してしまう。今のアメリカがこの頃と似ているから作品も戻ってきた、みたいな指摘を思い出しました。どうなんでしょうね?それ以上なんの考察も加えてませんが、そういうことなのでしょうか...。おっと着地点が迷子ですね。この件についてはまたいつか...。

 

32位 スピッツ『見っけ』

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 正直まだそこまでピンと来てないですが、一番大好きなアーティストであるスピッツがバリバリ現役やってるだけで僕は満足です。来年のライブがとても楽しみ。「YM71D」のカッティングかっこいいですね。

 

31位 The Novembers『ANGELS』

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 1曲目の「Tokyo」を聴き始めたその瞬間にゾワっとしましたね。あの鳥肌は忘れられない。もはや名盤の予感しかしませんでしたし、実際にそうでした。はよサブスク復活してください...。

 

30位 100 Gecs『1000 Gecs』

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 これは...これは一体どういう音楽なんでしょう。面白い。面白いです。

 

29位 Black Belt Eagle Scout『At the Party with My Brown Friends』

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 Katherine PaulのソロプロジェクトであるBlack Belt Eagle Scoutの2ndアルバム。彼女はワシントン州(首都じゃなくて西海岸の方)で生まれ、スウィノミッシュと呼ばれる先住民族をルーツに持ちます。現在はポートランドに引っ越してしまいましたが、今作でもPow Wowと呼ばれる故郷の音楽がその根源にあります。(この記事を参照しました)スタンディングロックでのパイプライン建設など、先住民族に関する民族問題は今も尚残ります。そんな中で彼女は、同じ先住民族たちのために歌っているのです。

 個人的には、彼女のルーツとなった音楽の影響が色濃く残り、より闘争することに重きが置かれていた前作の方が好きですけど(ちょうどスタンディングロック運動に参加していた時の作品です)、今作品もその根本は変わりませんね。

 

28位 Maika Loubté 『Closer』

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 日本とフランスのハーフの宅録女性アーティストです。「Prismé」という曲を聴いて一瞬で惚れ込んでしまいました。最近フランス語に弱いんですよね。Yelleを彷彿とさせるフレンチ・エレクトロポップです。

 今作には入ってないんですけど、一昨年の出た「LE GONG」は狂気じみてて特に好きです。

 

27位 Stella Donelly『Beware of the Dogseware of the Dogs』

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 「Die」のライヴ映像 を見て惚れました。(ちなみに隣にいるのはFaye Websterさんです。)いつも笑顔で素敵です。来日公演も本当に楽しかった。最強です。

 そしてやっぱり「Boys Will Be Boys」には触れざるを得ません。レイプされた友人のことを歌った曲で、#Metoo ムーヴメントのアンセム的な曲になりました。「男の子は結局男の子だから(レイプされることもある)」みたいなことを言ってしまう社会に対しての問題提起の曲と言いますか。男性側の僕からすれば、「自分はそうじゃないよ」みたいなモヤモヤと、一方で「Boys will be Boys」と言われても仕方がないくらい、そういう男性が後を絶たない、しかも社会的に容認されてきたという悲しさとか、いろんな気持ちが湧き上がってきます。この曲は2年前の曲で、ステラ・ドネリー本人もあの頃から比べたらちょっとはマシになってるけど、まだまだみたいなことを語っていたけど、日本はマシになってますかね。

 

26位 Cariño『Movidas』

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 Twitterで拡散されてて知ったスペインのガールズバンド。ナードな雰囲気の女の子たちが奏でる音楽は琴線に触れました。Hindsだけじゃないよ!

 

25位 LUNA SEA『CROSS』

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 LUNA SEAは今までほとんど聴いたことなかったです。聴かず嫌い。最新作を聴いて見たらぶったまげました。1曲目の「LUCA」を聴いた瞬間、もう完全に鳥肌。ライブ見たいです。

 

24位 あいみょん『瞬間的シックスセンス

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 このアルバムは本当によく聴きました。声が好きだし、サウンドスピッツみたいだし。あいみょんスピッツ好きであることはめちゃくちゃ伝わります。自分の中でハマるものと、世間一般で受けているものが、珍しく一致してる部分があいみょんでありスピッツなんだなあという気がしました。

 

23位 Versing『10000』

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 シアトルのポストパンクバンドの2nd。Sonic YouthPavementを彷彿とさせます。「Survaint」なんて思いっきりPavementです。「Renew」がSonic Youthの『Goo』に収録されていても気づかないかもしれません。日本での認知度が皆無みたいなんですけど、前作に引き続き良いです。前作の時はWedding Presentを彷彿とさせるとか言ってた気がします。ちなみにその前作のタイトルは『Nirvana』。頼もしいバンドです。Sonic YouthPavementの影響から少し離れた彼らの音楽も聴いてみたいですね。

 

22位 ナードマグネット『透明になったあなたへ』

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 一時期パワーポップと呼ばれる音楽をよく聴いてました。The RubinoosやThe Posies、Velvet Crushなどです。その流れで日本のパワーポップとされるバンドをいくつか聴いてみたんですけど、全然しっくりこなくて。これはパワーポップなのか?って。でもナードマグネットを聴いた瞬間、これだ!!!ってなりましたね。

 「バッド・レピュテイション」で、自分の悪い噂をする人たちに対しての「GO F*** YOURSELF!!!!!!!!!」で怒り狂ったからの「透明になろう」の流れが大好きです。

 うん、悪い噂をされるのは嫌だけど、やっぱり自分を見て欲しいみたいな欲望はありますよね。うん。

 

21位 OGRE YOU ASSHOLE『新しい人』

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  悲しい時に聴くきたい音楽やテンションを上げたい時に聴く音楽。音楽は人を感動させることがあります。しかし、時には感情を抑えて「無」になりたいこともあります。少なくとも僕はそうです。そういう時に聴くのが、「homely」以降のOGRE YOU ASSHOLEです。今作もそういうアルバムでした。でしたが...。

 「自分ですか?」を聴いてからよく分からなくなってしまいました。「自分で自分を決めているはずなのに僕は誰?」...え、僕は誰なんですか?となって思い悩むことになります。これをきっかけにTOMOVSKYにはまり、なぜか仏教に目覚めていくわけなのですが...このお話のつづきはまたどこかで。

 

20位 柴田聡子『がんばれ!メロディー』

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 まずタイトルが最高じゃないですか!「がんばれ!!メロディー!!!」みたいな。いやメロディーのあとには感嘆符はついてないんですけど、僕の脳内再生はこんな感じです。要は楽しくなります。ワンコロメーター♫ワンコロメーター♫教えてワンコロメーター♫

 

19位 Leonard Cohen 『Thanks for the Dance』

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 レオナルドコーエンの声がどうしても聴きたくなる夜があります。それは、どうしようもなく悲しい気持ちになった夜だったり、嬉しくて嬉しくて仕方ない夜だったり、或いはそのどちらでもない夜かもしれません。部屋を真っ暗にし、目をつぶって、このアルバムを再生すれば、そこは僕とコーエン2人だけの世界です。彼のしゃがれた優しい声に僕は癒されます。本作は3年前に亡くなったレオナルドの遺した楽曲を息子アダムが完成させたものです。再び彼の声を我々の元に届けてくれでありがとう。この声を聴ける限り彼は僕の中で生き続けています。

 

18位 Tahiti 80 『FEAR OF AN ACOUSTIC PLANET』

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 自らの過去曲のアコースティックバージョンを再録したアルバム。メデリックさんの綺麗な歌声にアコースティックなアレンジがマッチして、とても「チルい」です。勉強中、疲れたらよくこのアルバムを聴きながら散歩をします。そうすると、必ず身も心も回復して再び勉強に取り掛かれるのです。

 アルバムの最後にはSUGAR BABE「DOWN TOWN」を日本語でカバーしてます。めちゃくちゃ良い。Nada Surfの「空も飛べるはず」やNew Orderの「Krafty(日本語バージョン)」を聴いたときの、あのなんとも言えない気持ちにはならなかったです。

 

17位 Tessa Violet 『Bad Ideas』

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 2019私的アルバムジャケット大賞です。先行シングルも全部ジャケットが素敵です。彼女のプロモーションフォトは無限に見てられます。個人的には「I like (the idea of) You」のポーズが好きですね。もしTessa Violet握手会なるものが開催されたら、このポーズでチェキを撮りたい。Journal StandardさんはTessa VioletのコラボTシャツ作ってください。しかも音的にもドストライク。いいものに出会えました。

 そういえば、Tessa Violetさんに対してロシア語のコメントがめちゃくちゃ多いんですよね。何事かと思って調べたら、「Crush」のMVの中で彼女が着ているスウェットに「мишка」と書いてあって、これがロシア語で「熊」(=ロシアナショナリズムの象徴)という意味なんですよ。これが完全にインターネットミームになってロシアのナショナリストのおもちゃになってるみたいなんですよね。着てるTシャツに書いてあることとか気にしたほうがいいですね...。いやしかし「мишка」って調べてもクマのぬいぐるみの画像しか出てこないし、これは防ぎようがない。不幸な事故です。かわいそうに...

 

16位 Maison Book Girl 『海と宇宙の子供たち』

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 以前から名前は知っていて、なんとなく興味を持っていました。Amazonでやたらと推されてるなあと思って、ためしにプライムビデオのドキュメンタリー「Pick Ups! -Maison book girl-」を再生すると、そこはブクガ沼でしたね。何が好きなんでしょう。オーラですかね。単純に変拍子が心地よくて音が好きというのもあります。あとコショージさんがかっこいい。だけど何なんだろう、まだちょっとわからない。不思議な魅力があります。ちなみに年明け最初のライブは1/5のMaison Book Girlです。奇しくも人生で初めていったハロコンのちょうど1年後ですね。

 

15位  Wallows『Nothing Happens』

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 とてもポップなインディーロックバンドの1stアルバム。良かったです。ヒップホップもいいけど、やっぱり自分はこっち寄りの人間だなあと改めて思いました。そういえばボーカルの人Netflix「13の理由」の主人公もやっているらしい。巷の噂から判断するに、これは個人的に見なきゃいけない方のやつだと思いながら、見てません。見ます。たぶん。

 

14位 Lizzo『Cuz I Love You』

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 J-WAVEで『Truth Hurts』がよく流れてて好きになりました。Lizzoは本当にパワフルに踊るんですよね。その姿が素晴らしくて。女性は特にかもしれないですけど、太っていることが忌み嫌われる風潮があり、彼女も実際に体型のことで揶揄されたりしたらしいです。Glamour Magazineのインタビューでのコメントが大好きなので引用します。

"When people look at my body and be like, 'Oh my God, she's so brave,' it's like, 'No, I'm not,'" Lizzo, 31, tells Glamour. "I'm just fine. I'm just me. I'm just sexy. If you saw Anne Hathaway in a bikini on a billboard, you wouldn't call her brave. I just think there's a double standard when it comes to women.

 彼女は、当然に「太っているのに」最高であるであるわけでもなければ、「太っているから」最高であるわけでもないんです。太かろうが細かろうが彼女は彼女、ただセクシーなだけ。最高なのです。Lizzoに関してはアルバムがどうということと関係なく、Lizzoという存在は自分にとって大きかったです。

 

13位 Tool『Fear Inoculum』

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 十数年振りのニューアルバムということで、随分話題になっていましたね。それに乗っかってToolは初めて聴きました。まさかこんなに好きになるなんて。濃厚すぎる86分。どうしてあんなめちゃくちゃな変拍子が滑らかに美しく聴こえるんですか。ドラムは変態ですか。聴いててめちゃくちゃ楽しいです。前衛的な「Chocolate Chip Trip」(名前がかわいい)からの「7empest」を聴いて瞑想してから寝るのが好きです。

 

12位 3776『歳時記』

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 わー右耳と左耳でずっと違う音がなってるよ〜!

 最初に思った感想です。阿呆ですね。

 今回のベストアルバム50枚のうち47枚はSpotifyで聴いたもの(別でフィジカルで購入してるものはある)なのですが、このアルバムだけはハイレゾ音源ですので、まあどうしても贔屓してしまいますよね。言うなればドーピングみたいなもんです。今回選ぶ基準の中では、ドーピングは禁止されていないので。ステロイド歓迎。

 細かいコンセプトとかは割愛しますけれど、たくさんの数学的(?)なルールのもと曲が作られている非常に実験的でめちゃくちゃ面白かったです。今年聴いた中で一番狂ってるアルバムでした。

 

11位 Whitney『Forever Turned Around』

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 いやぁ、これはいいっすね。心地いい。最高です。お風呂で聴くのが特に良い。いやどこで聴いても最高。ホイットニーのこのアルバムに関してはもう他にいうことはないです。ただただ、ありがとうございます。

 

10位 Oh Sees『Face Stabber』 

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 遊戯王初期の通常モンスターみたいなジャケット。地属性・悪魔族・レベル4・攻撃力1400/守備力1100といったところですか。こりゃ絶対にジャケ買いはしません(褒めてません)。しかしこれは今年一番病みつきになったアルバムです。一回始めたら止まらない。アルフォートと同じです。
 Oh Sees(Thee Oh Sees)は初めて聴いたのですが本当に衝撃的でした。正直全く話題になってないですが...。21枚目のアルバムみたいですし、ある程度の人気はあるみたいなので、そりゃ急に話題にはならんかもしれません。偶然僕との出会いが今作だっただけで、彼らの他の作品聴いても同じことを思った気もする...。
 King Crimson(今まで何回聴いてもよさがわからなかった)みたいなサイケデリックな印象を受けたんですけど、ガレージパンク的な要素もあって聴きやすかったです。LUNA SEA、TOOLと並んで、今後の聴く音楽の幅を広げてくれる作品でした。実際King Crimsonへの抵抗も少し薄れましたね。ちょっといいかもと思えました。あと一歩です。

 

9位 Faye Webster『Atlanta Millionaires Club』

 

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 この、贅沢に金貨のチョコレートを頬張るジャケットが好きです。これぞ Millionairesですね。しかしそれでいてどこか悲しげな目をしているのが印象的。このジャケットが好きすぎてジャーナルスタンダードでコラボしてた黒パーカー、買っちゃいました。えへへ。おそらくこのアルバムを知らないであろう後輩に「パーカーかわいい!」って言われたのが嬉しかったです。

 2019年の、とくに下半期は基本的にずっと勉強してたんですけど、勉強中のBGMとして最適でした。Last.fmを見たら自分の印象の何倍もこのアルバムを聴いてましたね。(「聞いていた」の方が適切かもしれない。)

 ところで僕が彼女を知るきっかけとなったのは、彼女の愛するアトランタ・ブレーブスの試合で「Take Me Out to the Ball Game」を歌っているのを見たことです。超楽しそう。自分の好きなチームのファンに好きなアーティストがいたらいいなあ、なんて思ったんですけど、よく考えたらMLBに僕の贔屓のチームはなかったんですよ。ってことで今年から僕もブレーブスのファンになりました。アクーニャJr.、あいつは怪物です。

 

 
 
 
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Me screaming my heart out forgetting I’m suppose to sing 📸: @eathumans

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8位 Jain『Souldier』

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 フレンチポップにはまるきっかけになったフランス人女性SSWです。彼女はコンゴトゥールーズ、ドバイ、パリと渡っているようで(都市と国名が混在して井上陽水みたいになってしまった)、それらの音楽をミックスしてる感じでめっちゃ面白いです。僕が普段聴いてる音楽の9割は日本語か英語なので、やっぱりフランス語というだけで新鮮でいいですね。

  彼女をきっかけにAya Nakamuraなんかも好きになりました。

 

Jain - Oh Man  ←(スマホだと重くて動画見れなさそうなのでこちらのリンクから。)

サマソニ来てたんだよなあ。行きたかった。

 

7位 BEYOOOOONDS 『BEYOOOOOND1St』

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 アイドル界は今BEYOOOOOONDSがアツイです。アーツイ!ツイ!2019年もハロプロ三昧な日々でしたが、特にBEYOOOOONDSでした。ハロプロ聴き始めた頃にはすでにBerryz工房も°C-uteBuono!いなくなっていて。(実は°C-uteは生で見たことありますが)過去の音源や映像を漁ってく日々で、嗣永桃子さんや夏焼雅さんの素晴らしさを感じれば感じるほど、虚しさと切なさも増大していきました。しかしそんな虚しさや切なさを吹き飛ばすような、最強のアイドルグループが令和の日本に誕生してしまったのです。

 メンバー全員紹介してしまいそうな勢いなんですけど、さすがにやめておきます。特に清野桃々姫さんが好きです。彼女はヒューマンビートボックスが出来るんですけど、舌打ちの時と使い方が似ているみたいなんですよね。インタビューで「電車の中で舌打ちしているおじさんがみんなヒューマンビートボックスやれば幸せでいいのにな」って言っていて、好きになりました。せっかくなんで清野桃々姫のアメブロでも貼っておきますね。良かったら、コメントしてください。

 さて、このアルバムなんですけど、全体の9割はハイテンションで、9割はふざけてますね。70分間17曲もうひたすらに、元気とコメディに全振りしてます。意味わからんほどエネルギー溢れててポジティブ。圧倒的多幸感。

 しかし最後の最後「伸びしろ〜Beyond the World〜」で、ほとんど初めてバラード調になるんですよ。これってとても示唆的じゃないですか。BEYOOOOONDSはこれだけじゃないんだぞ!という。本当にBEYOOOOONDSが楽しみです。さらにBeyooooondしてくるに違いない。

 

BEYOOOOONDS『ニッポンノD・N・A!』

これ、ベイスターズの応援歌として採用してくんねえかな...

 

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ちなみにBEYOOOOONDSのジャケにはDepeche Modeのオマージュがあります。

 

 

6位 2『生と詩』

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 6位は2の3rdアルバムです。ツーって読みます。検索しにくい!でもこのバンド名好きです。商業的なことなんて全く考えてないじゃないですか。清々しいですよね。

 高校生のとき(2010年〜2012年)The SALOVERSとポニーテールスクライムという2つのバンドが大好きでした。そんな2つのバンドのフロントマンである古舘祐太郎と加藤綾太の2人を中心に結成されたのが2。実は両バンドともここ数年はほとんど聴いておらず、活動休止していたことも知りませんでしたし、この2というバンドのことも2019年に入るまで知りませんでした。

 聴いてみたら、もう恥ずかしくなるくらいに清々しい疾走感。一瞬にして引き込まれて、高校時代に戻ったかのような感覚でした。本当に飽きるくらいに聴き続けてしまいましたね。それこそ、サブスクなんて存在せずiPodで限られた曲をリピートし続けるしかなかった高校時代のように。

 今飛び込んできた情報なのですが、古舘さんとベースの赤坂さん、リバティーンズのサポートに参加するらしいです。すげえ。意味わかんねえ。

 

2 - ルシファー (2019.03.31 Live at 学芸大学MAPLE HOUSE)

清々しいほどに素直。今一番ライブハウスの一番前で聴きたいバンドです。

 

5位 Sacred Paws『Run Around The Sun

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 て、天才では...?グラスゴーの最強女性2人組のインディ・ポップです。僕はこういう音楽に目がないんですよ。大好きなんですよ。これでモグワイのレーベルってのが面白い。

 しかし良いです。いや本当に。2019年12月現在世界で一番踊れるバンドでは?ひくほどにハイセンス。こんなん流したら巨人の星星一徹でも踊るわ。(他にうまい喩えなかったのか) 

 

Sacred Paws // Almost It 

 

4位 Billie Eilish 『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』

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 自分にとってのスターは、いつも過去の存在だったり、あるいは現役であっても一般的な知名度は低い局所的な存在でした。しかしビリー・アイリッシュは、"今"の全世界的なスターであると同時に、自分にとってもスターであるという、初めての存在でした。 

 彼女の曲の好きなところは、今までの多くのスターと違って、囁くようにしてどこか悲しげな声で歌うところです。イヤフォンで聴いているとまるで自分のためだけに歌ってるような気がしてきます。特に「ilomilo」という曲が特に好きです。本人も一番好きとインタビューで語ってて、嬉しかったですね。

 僕にとってのスター足らしめたものは、楽曲もさることながら彼女の思想によるところが大きかったのです。思想がもっとも現れているのが、彼女の衣装だと思います。MadonnaでもBeyoncéでもLady GaGaでもAriana Grandeでも、スターたちはみな(それぞれに個性はあれど)露出度の高いセクシーな衣装を身にまとってきました。一方のBillie Eilishは、普段着のようなダボっとしたものを着て舞台に上がります。これは、露出度の高い衣装へのアンチテーゼというのではなく、単に「ただ自分の好きなものを着ているだけ」なのです。これはLizzoがセクシーな衣装を着ていることと同じだと思います。彼女の最も好きなアーティストがAvril Lavigneなのも頷ける気がします。

 

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これ、一時期LINEのトップ画像にしてました。

3位 Stef Chura『MIdnight』

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 レーベルを追っていくのがが好きです。レーベルごとに聴くのが好きというか。例えば僕はMatadorを神格化していますので、Matadorから出る音楽は全て良いものだ、と体が勝手に反応してしまいます。Matadorだけではなく、MergeとかSecretly Canadianも好きですね。ちょっとマイナーですけどBarsukなんかもいいですね。犬がかわいい。

f:id:lassiorchai:20191229024208j:plain←こいつね

 そしてStef Churaが所属するのがSaddle Creek。元々はBright Eyes中心に内輪でやっていたんですが(詳細は割愛)、こんなにも大きくなってました。真面目にやってきたからだと思います。(ここでコナー・オバーストが赤井さん並みに照れます。)いやしかし最近のSaddle Creek発の女性ロッカーは本当にツボにはまります。ツボばかり。有名どころではBig Thief(4ADへ移籍)やHop Along、他にも去年デビューしたTomberlinやHand Habits...。さらには先ほど登場したBlack Belt Eagle Scout(29位)。

 しかも彼女をプロデュースするはあのCar Seat HeadrestのWill Toledo(Matador所属!)です。はいもう分かりましたね、このアルバムは最高なんです。もう聴かなくても分かります。

 そして聴いてみるともう笑っちゃうくらいにCar Seat Headrest感が満載です...と思ったらWill Toledoがっつり歌っとるやないかい!初めて聴いた時は一人で1曲目からニヤニヤしてました。全体を通して、所々Will Toledoが出てきます。素晴らしい。とても良かったです。最強なカレージロックでした。Car Seat Headrestと一緒に日本に来てください。

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Stef ChuraとWill Torelo。この実家にいるような安心感。

 

2位 カネコアヤノ『燦々』

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 もうすっかり大人気となってしまったカネコアヤノ。嬉しくもあり寂しくもあり。でも嬉しい。3年前にApple Musicで『来世はアイドル』を聴いて以来、日々の生活はカネコアヤノとともにあったと言っても過言ではありません。完全に生活の一部となってしまいました。

 春先に出た『愛のままを/セゾン』の両A面シングルは延々と聴いてました。「セゾン」のせいで2019年は春夏秋冬ずっと4月の終わりで、ずっとミモザが揺れてましたよ。2019年Spotifyでもっとも再生された曲です。 

 そして秋口に出た、2年ぶりの今作もやっぱりずっと聴いてました。「かみつきたい」の破壊力ね。「安いお酒でキスでもしたい」ですってよ、ねえ。ねえ。

 

 来年もたくさんライブ見に行きます。

 

 ネコ好きとして知られるカネコさんですが、装苑ONLINEで「猫もいいけど犬も好き」を連載中。いい感じにゆるくて適当な記事で最高です。なんと次回最終回の3回目は、カネコさんが大好きな猫に会いにいくそうです。「猫もいいけど犬も好き」なのに結局最後は猫に会いにいっちゃうというね。

 

1位 The New Pornograohers『In the Morse Code of Brake Lights』

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 The New Pornographersは、僕にとってこのバンドは特別なバンドです。この最高にカラフルでポップな音楽を聴いているだけで気分は10倍くらい華やかになります。もうその全てが好きです。透き通るKathryn Calderの声とニーコ姐さんのパンチある声も、そしてカール・ニューマンのとろけるような声も大好きで、そして何よりこの男女混声ハーモニーが最高なのです。3年ぶり8枚目の今作も本当に何回聴いたことか。この多幸感・恍惚感、他のバンドでは味わえないんですよ。特に好きな先行シングル「Falling Down The Stairs Of Your Smile」は最高です。

 Neko CaseやA.C. Newmanは有名なので、Kathryn CalderとWoodpigeonのMark Andrew HamiltonのプロジェクトであるFrontpersonの動画を置いておきますね。

 

 FRONTPERSON – Tick-Tock (Frontrunner) 

 

おわりに

「年間ベストは自分がどれだけ音楽を聴いてきたかマウントを取るため」みたいなものが話題になっていました。しかし、これに反対するツイートはたくさんあっても、当該ツイートやそれに賛同するものは、少なくとも私の雑な検索ではほとんど見受けられませんでした。
 きっかけになった発言があったのだろうと思いますが、この広がりようは藁人形を作っているだけにも見えます。今回の場合は、思想的な対立と違って、想定される攻撃すべき他者がいません。みんなの自分自身の中にこの藁人形がいるのだと思います。つまり多くの人の意識として「私のやっていることはマウントに過ぎないのではないか」という懸念があるんじゃないかと思うのです。SNSだとLikeの数によって「マウントの結果」が可視化されてしまいますから、よりその懸念は大きくなるかもしれません。Like機能なんていらないのにね。ブックマークだけでいいよ。以上の考察は推測の域を出ませんが、少くなくとも僕自身この葛藤を抱えている部分があります。
 他者と比較し、他者の趣味を見下すこと、これはあってはならないです。しかし、「こんな音楽を聴いている自分かっこいい」みたいな感情には素直になりたいなと思います。「自分が好きであるものを好きな私」を好きになるのはとても自然なことだと捉えるのです(いま小泉進次郎みたいなこと言った?)。ある種開き直り的なこの態度が、自分の気持ちを楽にすると思います。



 この方はつい最近知った、「超」がつくほどの世界のマイナーな映画や音楽を探求することに命をかけているような方なのですが、とても腑に落ちるツイートでしたので引用しました。この欲望をエネルギーに変えてディグっていきたいですね。

 

 

 何はともあれ、今回の記事を書くのはとても楽しかったです。50枚ものアルバムにコメントを書くのは思ったより大変だったのでこれを来年やるかは分かりません(数枚選ぶだけなら多分やる)。いやしかし楽しかった。満足です。

 

最後に今年一番聴いた曲です。

 

 

Juice=Juice『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』