blog non grata

人生どうでも飯田橋

2月23日

一昨日、昨日と仕事が休みだったので東北に行ってきた。JR東日本の中なら、平日限定で電車乗り放題(新幹線含めて)1万円という、青春18きっぷの進化系みたいな切符を使って。

21日水曜日の朝、東京駅を出発し、仙台で乗り換え、盛岡まで新幹線で行く。乗り換えの仙台は雪だったのに、盛岡では嘘みたいに晴れていた。晴天の中レコードショップを巡る。アクション・タイム・ヴィジョンというショップはネオアコが充実していて自分好みだった。Dake LeonardのIcebergというアルバムを含め6枚購入。Deke Leonardはパブロックバンド"Man"の中心メンバーらしい。Manは高校生の時にパブロックにはまってたからレコード・コレクターズ経由で知っていたけど、メンバーの名前までは知らなかった。このアルバムはサブスクにもないし、アルゴリズムから薦められているものの完全な外という感じがしてワクワクする。円盤を買ってから始まる新しい出会い。夕方から急に雪が降り始め風も強く、北国に来たなという感じ。寒さで震えながら適当に入ったカフェのカプチーノが本当に美味しかった。その日のうちに新幹線で新青森へ。

翌朝、旅の一番の目的である「奈良美智: The Beginning Place ここから」を観に青森県立美術館に向かう。今まで本名が「ならよしとも」で「ならみち」という愛称であるという変な誤解をしていた。「よしもとりゅうめい」とか「ごちえい」みたいな感じで。

展覧会は本当にたのしかった。自らのレコードのコレクションを展示するほどで、ロックアルバムのジャケットから1番影響を受けたと本人も語っていた。自分もbloodthirsty butchers少年ナイフのアルバムのアートワークで知ったので嬉しい。可愛らしくいけど、独特な仏頂面を浮かべる女の子。大きな瞳でこちらを見つめてくる。なんとも言えない迫力があり、不思議な引力がある。「No War」というシンプルなメッセージだが、どんな言説よりも説得力があった。奈良は絵だけではなく、写真家としても活動していて、2002年のアフガニスタンでも出向いている。屈託のない笑顔の少年たち。直接的な政治的言説ではなく、アートで訴えかけるんだという、「敢えて」性を感じた。7000円弱する「奈良美智 終わらないものがたり」も迷わず購入。氷点下の中歩き回った2日間だったのに、帰りの新幹線では新青森から一睡もせず熟読してしまった。