この文章は、昨年12月に高校時代の友人で、デザイナーの中山望くん*1が「自分の家の半径300m以内のスポットを写真と文で紹介して、そこを歩く時のプレイリストを作る」という趣旨で作られた小冊子『パラレルな隣町』に、僭越ながら載せてもらった僕の文章・写真及びプレイリストである。せっかく書いたので載せてみた。
他の多くの人もそうかもしれないけど、特定の場所で特定の曲を聴くという習慣は僕にはない。だから「家から300mを歩く時のプレイリスト」という選曲は少し難しかった。
そこで、きょう（2018年12月6日、木曜日）のお昼に、京都の自宅付近を小一時間散歩して、その時に聴いていた曲をそのままプレイリストにした。曲選の基準は無く気の向くままに選んだけど、「今聴きたい曲」だけでなく、「昔ここ歩いてる時にこれ聴いたな」とか、「深夜ここ歩く時はこれがいいな」みたいなことも考えながら曲を選んだ。
そうこうしているうちに、大通りに。なぜかよくお世話になっている（？）警察署についた。五曲目はThe Clashのライブ版から。お巡りさんから逃げているライブ感を。って別にお巡りさんから追いかけられてないけど。
まず、家から疎水沿いを歩きながら、大通りへ。一曲目の『もっと遠くへ』は、家を出てすぐに聴きたくなった。なんだか気持ちが漲ってくる。まあせいぜい500mしか遠くに行かないけど。次に、あやや。特にこの曲は、歌い方のクセが、クセがすごい・・・。ボブ・ディラン並みにクセが。三曲目のGrimesの『We Appreciate Powers』は、最近毎日聴いている。ヘビーなのにポップで完全に中毒になってしまった。The Birthdayの『木枯らし６号』は、去年の今頃、ずっと聴いていた。肌寒い初冬に聴きたくなる。チバユウスケのしゃがれ声が沁みる。
ここから、近くのライブハウスの方へ。 最寄りのライブハウス・京都メトロここで見たペインズの『Belong』は忘れられない。アンコールの最後に演奏し始めた瞬間に泣いてしまった。七曲目は、ゆらゆら帝国の深夜から明け方にかけてこれを聴きながら鴨川を歩くと、目頭がうっすらと濡れる。Spearmintは、先程のメトロでＤＪが流していて知った。かっちょいい。
鴨川に着いた。まずは、カントリー・ガールズの『書いては消しての "I Love You"』 森戸知沙希が圧倒的に輝いている。森戸ちゃんが「好きです」って、僕の耳元で囁くとき（イヤフォン推奨）、自分史上、最も気持ち悪い顔をしていると思う。*3
次のBrodkaは、僕の大好きなポーランド発のシンガー。特にこの曲は、変態的。そしてかわいい。
近くのパン屋に到着。パン屋といえば、豊田道倫の『少年はパンを買いに行く』だ。休みの日に、ちょっと早起きした時はこのパン屋に行くことが多い。まるでパンを買いに行くような曲には聞こえない曲調だけど。一二曲目のカネコアヤノは、ここ三年間の僕の生活の三割は占めているであろう。*4『カウボーイ』は、歩くというよりスキップしながら聴きたい。
鴨川沿いに戻る。一三曲目のKero Kero Bonitoは、最高にポップでカラフル。愉快な気持ちになれる。次は高田渡の『自衛隊に入ろう』。京都の、特に左京区の、ドロッとした感じ、なんとなく苦手なんだけど、高田渡の曲ならこういう感じでもなぜか許せる。というかむしろ聴きたい。高田渡を聴いていたら、何かに抗いたくなってきたので伊藤さやかの『理由なき抵抗』を聴く。力強い。アイドル路線で売り出されるのが嫌だったのも頷ける。*5
外がだんだん暗くなって来た。トム・ウェイツの『Innocent When You Dream』は、映画『スモーク』のエンディング。二回生の時に初めて出会ってから、ずっとこれを聴きながら逝きたいと思っている。今死んでも大丈夫なように聴こう。
トム・ウェイツで終わりのつもりだったけど、やっぱり今死にたくはない。ということで最後は奥田民生の『夕陽ヶ丘のサンセット』でテンションを上げてこう。日の入りも早く、あたりはすっかり夕暮れ。でも、今日はまだまだこれからだ。
京都に来て五年。特にこの街に愛着があるわけじゃない。京都にいるから、くるりを聴こうとかも全くない（くるり自体はよく聴くけど）。だから、結局今回の曲選がコンセプトに合っていたかわからない。でも、横浜の実家で同じようにプレイリストを作ったら全然違うとも思う。というのも後から気づいたのだが、今回選んだ曲のほとんどが京都に来てから聴くようになった曲だったのだ。*6
*1:勝手に名前だしてごめんね。LOST CAUSE /中山望 彼の描いたマンガ。勝手にシェアしてごめんね。
*2:なぜか6曲目のThe Pains Of Being Pure At HeartのBelongが抜けている・・・
*3:カントリー・ガールズ『書いては消しての “I Love You”』(ショートVer.) - YouTube ｺｺ!!
*4:さすがにそれは過言であった。けど一番聴いてる。parker8__のライブラリ | Last.fm
*5:伊藤さやかは自称ロックンローラーであった。伊藤さやか - Wikipedia
*6:Pains以外全て京都きてから聴き始めた。ってか脚注つけすぎ
